名前の由来「蔵珍窯」

名前へのこだわり

なぜ蔵珍窯“ぞうほうがま”という名前なのですか?というご質問がよくあります。

読み方は?
ぞうちんがま?・くらちんかま?などといわれることがよくありますが、正式には“ぞうほうがま”と読みます。なぜ珍を“ちん”ではなく“ほう”と読むのか、これは“珍”の旧字が“珎”の字であったことに由来します。この珎という字は和同開珎“わどうかいほう”とあるように“ほう”とよむことがあるそうです。ですから現代ではなかなか読みにくいのですが、珍とういう字を“ほう”と読み、当窯の名称・蔵珍窯を“ぞうほうがま”と読むようにしております。

蔵珍の名前の由来は?
中国官窯の陶官を蔵珍といったそうです。
日本では安土桃山から江戸時代以降、今では有名な織部・志野・有田・清水焼・九谷焼・琳派など絢爛豪華な器が誕生しましたが、昔から大陸から渡ってくる陶磁器、特に中国の陶磁器を唐物と呼び珍重してきました。陶磁器にたずさわっている人のなかで中国・明時代の中国陶磁器にあこがれを感じる人も少なくありません。魯山人をはじめ多くの数奇者もその一人であったと思います。
その中国の古陶磁器に魅力を感じ、中国官窯の陶官の名称を当窯名前の由来のひとつとしております。

また、珍は、“めずらしい”と読むのと同時に“たから”と読むそうです。その読みからもあるように宝物のように貴重なもの・希少価値のあるもの、ということから、蔵に納められるくらい良い器(価値のあるもの)をつくっていきたい、そのような思いも重ねて、蔵珍窯(ぞうほうがま)という窯名にしております。