器のお手入れ
銀の陶磁器のお手入れ
銀で加飾された陶磁器は、時間と共に酸化して黒くなってしまいます。これは純度の高い銀であればどうしても起きてくる現象ですので、銀が黒くなってしまったときのお手入れの仕方を紹介します。
※左が酸化してしまった箸置・右がお手入れ後の箸置
【手順1】まず必要なのは重曹です。
【手順2】少し水を加えてペースト状にします。
【手順3】これくらいの水分量がいちばん手入れしやすいです。このペースト状の重曹を手ぬぐいなどの布に取ります。
※この時たわしなど硬い素材のものを使うと銀がはげてきてしまう可能性がありますのでご注意下さい。
【手順4】ペースト状の重曹を銀の部分にこすりつけて磨いていきます。
重曹の水分がなくなってカサカサになってきますが気にせず磨いていきます。輝きがもどってくれば終了。磨きあがったかは見た目で判断してください。
【手順5】磨きおわったら、水で重曹を洗い流してください。すすぎ洗いが十分でないと乾燥後に白い粉が吹き出してくることがあります。もう一度洗えばきれいになります。
5個のうち右下が磨いたものです。
左半分が磨いた後、右半分が磨く前
簡単に銀の輝きが戻りますので皆様お試し下さい。
器の上手な扱い方-その1・陶磁器使い始めのケア
器を購入したら、まず高台をチェックしましょう。
多くはきちんと処理されていますが、なかにはざらつきが残っている場合があります。テーブルや折識を傷つけるので、目の細かいサンドペ-パ-でなめらかに磨きます。(当窯では高台の処理をしたものを出荷しております)
また、釉薬を掛けない焼締の器や粉引、萩焼といった軟質の陶器類は吸水性があるので、そのまま使い始めると料理の汁気や油分などがしみ込んでしまいます。使い始める前に、米のとぎ汁で煮沸するのがおすすめです。粘度のあるとぎ汁が土の粒子と粒子の間に入り込んで隙間を埋めてくれるので、汚れがしみ込みにくくなります。(当窯では器に水がしみ込まないよう処理したものを出荷しております)
器の上手な扱い方-その2・陶器(土もの)は使う前に水を含ませる
“土もの”といわれる陶器は、日常で使うときにも、料理を盛る前に水かぬるま湯につけて十分に水を含ませ、軽く拭いてから使いましょう。
醤油やだし、油がしみ込みにくくなり、しみやにおいを防ぐことができます。
特に汚れやすのは、表面に貫入と呼ばれるひびが入っているもの、表面に小さな穴があいているもの-粉引・志野・萩焼などです。また備前焼のように無釉の焼締は、霧吹きで霧を吹いてぬらしたり、さっと水にくぐらせてから使います。
ただし、一般に白い器は最初からある程度汚れることを承知のうえで購入をお考え下さい。陶器でも黒・茶・緑色のものは、比較的汚れが目立ちません。
器の上手な扱い方-その3・陶器(土もの)使った後のケア
“土のもの使った後は早めに洗い、十分に乾燥を”
器を洗った後、陶器の場合は水気がしみ込んでいるので、とりわけ念入りに乾燥させましょう。湿気を帯びたまま食器棚に収納すると、梅雨どきなどはカビの原因にもなります。最後に熱湯に通すと早く乾燥させることができ、カビの予防にもなります。また、汚れがたまったり茶渋がついた急須や湯呑みなどには、台所用の漂白剤を。色絵や金彩・銀彩が施されたものは色落ちすることがあるのでさけましょう。
器の上手な扱い方-その4・上絵付の器の洗い方に注意
“絵付けによっては洗い方に注意!”
絵付けには大別して、釉薬を掛けた上に柄を描く上絵付けと、釉薬の下に描く下絵付けがあります。染付のように下絵付けの場合は絵が釉薬でカバーされているので問題ありませんが、上絵付けの場合はむき出し状態です。洗うときは、たわしは厳禁。スポンジでもなるべくゴシゴシこすらないように。とりわけ金彩、銀彩は強くこすると絵がはがれることがあります。また、金銀彩のものは電子レンジの使用を避けましょう。(火花が散るようなことが起こり、色が変化することがあります。)
器の上手な扱い方-その5・日常使いの器の収納
“日常使いの器は、同サイズを5~6枚重ねて収納”
日々の食事でよく使う食器は、茶碗、取り皿、鉢というふうに、種類別に大きさと形の同じものを5~6枚重ねて食器棚などに収納します。ただし陶器は土が柔らかく割れやすいので、器と器の間に柔らかい紙を挟むとよいでしょう。上絵付けや金彩、銀彩が施されたものも同様です。
一方、普段それほど頻繁に使わない大皿や鉢などは、もんで柔らかくした和紙や木綿の布などで包んで収納します。
来客用のおもてなしの器や行事用の器などは和紙で包んで箱に入れ、湿気が少なく直射日光が当たらない場所に保管を。箱に収納した器や写真を貼っておくと取り出すときときに便利です。
器の上手な扱い方-その6・陶磁器と漆器は重ねずに収納
漆器は使い込むほど艶が出て美しくなり、味わいが出てきます。しまい込まず、食器棚の取り出しやすいところに置いて使いましょう。
収納するときは、漆どうしを重ね、間にキッチンペパーなどを挟むと傷防止になります。また、漆器と陶磁器と重ねると傷がつきやすいので、避けましょう。