ごはん茶碗への思い

蔵珍窯の茶わんづくり

あれは、新緑を透して、さわやかな春風が吹く日のことでした。

こだかい山の中にある建物の中で、器の展覧会をしておりました。
そこに訪れた一人のご老人、ひと通り器をご覧になった後、私に近寄り一言

「大人が使えるような小さなご飯茶碗は無いかいなぁ」

思い返してみれば、世の中の小さなご飯茶碗は
子供用の可愛らしい絵や、キャラクターが施されたものばかりでした。
そうか、大人用のご飯茶碗といってひとくくりにできないのか。
ご飯茶碗のありかたに気づかされた一言でした。

そこから考えました。

20代と80代では同じ大人でもご飯の量は明らかに違うはず。
また、病気などでご飯の量が制限されている人もみえるし、
ダイエットをしたい人やアスリートに於いては特にシビヤになる事柄。
そう考えると、あらゆる人にあった、大きさやデザインが必要となる。

蔵珍窯あげての一大プロジェクトが始まりました。

土の種類、釉薬の種類、絵の具の種類
形、大きさ、下絵、上絵、絵柄、色、
コンセプトはライフスタイルに合ったご飯茶碗。
職人を集めて、試行錯誤・・・

出来上がった茶碗は300種類

大人向けの柄で、小ぶりな茶碗はもちろんのこと、子供向けの柄には転がりにくい工夫を施したりありとあらゆる、形、柄のものができあがりました。

ご飯茶碗は・・・

毎日使うものだからこそ気に入ったものを使いたい。
毎日使うものだからこそ手になじむものを使いたい。
毎日使うものだからこそ大切に選びたい。

蔵珍窯のご飯茶碗で、皆様の食卓と心が豊かになって頂ければ幸いです。

ごはん茶碗のこころ

「飯」は「召し上がる」の「召し」からの転訛だそうですが、めし碗のことを「ご飯」と言うようになったのはいつからでしょう

春夏秋冬、麺、パン党も一日一度はご飯
やわらかく小さな可愛らしい手にも
がっしりと大きなたくましい手にも
しっくりとおさまりのよいご飯茶わん

炊きたての白いご飯に美しい磁器の丸碗
お茶漬けサラサラ、とろろご飯に平茶碗
四季の山海の幸入ご馳走ご飯に趣の碗

食卓に笑顔が揃ったら
さあ-おいしく召し上がれ